まず、土地が無ければ家は建たない。
良い家を建てるにも、土地が悪けりゃ台無しだ。
環境、地盤、日当たり、値段…
これらを全部満たした物件なんてそうそう見つからない。
土地探しは1年前に始まり、なかなか思うような場所に巡り会えずに途中断念していたが、今年の冬~春にかけて再開した。
最初は、閑静で雰囲気が良く、新しい住宅地でありながらも安値というKヶ丘で探していた。
3年前には沢山空きがあったこのKヶ丘は、ほとんど埋まっていた。
そんな中、1件「ここだ!」と思った土地が、ハウスメーカーの建築条件付で、
一時は条件を外してもらえると聞き、期待して覆されたり、
もう1件、「ここならどうだ!」と思った土地が、
「長い間空きだったのに、偶然にもたった今契約されました。」
と、なかなか進まない。
天のお告げで「ここには住んじゃだめってことよ。」
と言われているような気さえした。
Kヶ丘は諦め、富裕率高めな雰囲気でセレブ感漂う住宅街Sヶ丘を探してみた。
きっと、高いんだろうな…と思っていると、
この不況のせいなのか、かなり安くなっていた。
しかも、値段もサイズもちょうど良く、日当たりもまずまずな角地。
掘り出し物のお宝のような物件に出会ったのだ。
この住宅街自体、駅は遠いが、小中学校、スーパー、バス停も近く、
市内では一番住みたい所だと思っていたあこがれのSヶ丘。
その一画に、私たち夫婦に手の届く値が付けられていたのだ。
82坪の敷地。
これなら十分庭も作れるし、駐車場も4台分
(夫婦2台+縦に来客の車2台)のスペースが取れそうだ。
ここだ!と思った。
Kヶ丘が駄目だったのは、この土地に巡り会うためだったのかもしれない。
早速、夫を連れてくると、
「ここ、まぁまぁいいんだけど、どうやって入るの?
この木と支線が邪魔だろ?これじゃ車の出し入れ出来ないじゃん。」
その通りだった。
上側(北東)から見たところ

横側(西)から見たところ

この土地は坂になっていて、傾斜のある横側には石垣が積まれている。
当然、傾斜の無い上側に駐車場を設けたいのだが、
ちょうど入口にしたい箇所の真ん前には、街路樹と、
電柱から伸びる支線が、通せんぼのようにそびえ立っている。
これをどかすことが可能なら、この土地を購入しようと決めた。
こんな図を作って、不動産屋に相談してみた。

不動産屋は、市と電力会社に許可をもらうのにしばらくかかりそうだが、おそらく可能だと言ってくれた。
とにかく出入口が確保できないのなら、ここには住めない。
夫は、「こんな良い物件が今まで売れなかったのは訳がある。
きっと、こいつがどかせないから誰も買わなかったに違いない。おれは無理だと思う。」
と、しらけることを言っていたが、彼の発言はあながち間違っていない気もした。
今まで見てきた物件には、見事に期待を裏切られてきた。
今回も許可が下りず、この物件もサヨウナラ…なんて事態も想像した。
一週間後、不動産屋の返事はOKだった。
これには大喜びだった。
ここに住める!ここに私たちの家が建つのだ!!
さらに、街路樹・支線・歩道等の問題解決にかかる工事費用を
売主さんに半額負担してもらう交渉にも成功し、その分を土地代から値引いてもらった。
そして、2010年5月吉日、無事契約。
土地の費用に関しては、ケチケチ節約生活をしていたおかげで
自己資金のみで購入することができた。
次は、施工会社選びと、お金を貸してくれる銀行探しである。